いつかどこかで。

日々をゆっくり味わって生きたい。

短編物語 ~ワサビの待ち人~

撮影#奇人のぼっち庵より

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「いったいどこへ行ったんだ」

 

ワサビは目から落ちる涙を指で拭う。

 

「君の席はいつだって用意している」

 

だから早く帰ってきてほしいーーーーー

 

「僕は待っている」

 

落ち着いたワサビの目から涙はもう流れなかった。

 

「だって君は…」

 

そう、君は…

 

 

「何やってるのかねワサビ君ひとんちで」

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「それはワインだいちご。私はこっち。待ち人を待ってるのさ」

f:id:itukadokokade:20211022150714p:plain(ワープしおった…しかもかっこいいポーズをきめている…)


「例の妄想ごっこかい」

 

含み笑いをするいちご。

 

ワサビは両手を広げてはっはっはと笑った。

 

「妄想なんかじゃない!あの時私は彼女と誓ったんだ」

 

「ほう」

 

「悪人面エレの会、会長と副会長になろうと…!!!」

 

いちごは唖然とした。

 

「たぶんそれ」

 

 

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「参加してないよ」

 

「………だって一緒に食事してやろうって言ったら、にこって」

 

「それ『ぶっとばすわよ』のにこだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ワサビは遠い目をしながらそれでも待っていた。

 

あのにこが賛同のにこであると信じて。

 

 

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(信じなきゃやってられない…ぶっとばされてしまう…ガクガク)

 

おわり。